歯周病について、前回は初期症状である“歯肉炎”について説明をしましたが、今回は歯肉炎がさらに進行した“歯周炎”について話したいと思います。

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■「歯肉炎」がさらに進行した状態 「歯周炎」

「歯周炎」は、歯を支える歯周組織がすでに破壊され始めている状態をいいます。歯ぐきが腫れた「歯肉炎」の症状が進み、目には見えない歯を支える骨(歯槽骨)が溶けて細くなり、歯ぐきが引き、歯の根っこの部分が見えてきてしまいます。炎症を止めるには、丁寧な歯みがきに加え、歯にこびりついた歯石やプラーク(食べかす)除去が必須。歯石は自分では取れないので、歯科医院でしっかり除去します。

 

■歯周炎に一度なると、治っても定期的なクリーニングが必要となります

一度歯周炎になると、基本的には溶けた骨は回復しません。歯ぐきと歯の間に隙間ができ(これを歯周ポケットといいます)、どんなにしっかり治療をしても再びプラークが溜まると歯周炎を再発してしまうのが難点です。歯科医院では再発予防のため、治療を終えてからも定期的なメンテナンスに通っていただくよう必ずお願いしています。

定期検診やクリーニングについて何度も言う歯科ほど、せっかくの治療が無駄にならないようにと、お口の健康を願っている歯科医院です。再発予防の為、ぜひ定期的にメンテナンスを受けてください。

■タバコは歯周病が進行しやすくなります

タバコの煙の有害物質は歯の健康にも甚大な被害を与えます。免疫の働きが低下して病気の進行が早まり、修復力が衰えて炎症が治りにくくなります。タールにプラークがくっつき、歯が汚れやすいうえ、歯ぐきの色も悪くなり見た目もよくありません。喫煙者は非喫煙者と比べると、歯周病の進行が約10年早いというデータもあります。歯の健康のためにもぜひ禁煙をしましょう。

 

※下記画像:タバコで歯周炎が進行した状態