唾液は1日に1~1.5リットルも分泌されるといわれています。唾液にはお口の粘膜の保護や下記のような様々な働きがあり、お口や歯をはじめ体全体を守っています。
■唾液の主なはたらき
・食べたり話したりするのをスムーズにする潤滑作用
・食物をでんぷんに変える消化作用
・抗菌作用(ケガをしたら唾をつけておけば治る、といわれるのもこのためです)
・食べかすを口内に残さない洗浄作用
・口内の酸性度を正常に保ち、歯が溶けるのを防ぐ緩衝作用
・細菌を口内から排出する作用
乾燥時期や体調不良の時など、一時的に口が乾くことはありますが、慢性的な場合は「ドライマウス」という病気です。ドライマウスは歯周病やむし歯のリスクが高まります。
■もしかしたらドライマウスかも?兆候をチェック
①口の中がカラカラする
②口の中がネバネバする
③唇が乾く、または切れやすい
④話しづらい
⑤舌が乾燥している
⑥口内炎ができやすい
⑦よく飴をなめる
⑧トイレや水を飲みたくなり夜中に起きることがある
⑨目も乾くことがある
これらを日常的に感じるようでしたら医師への相談をおすすめします。
ドライマウスは、会話が困難、咀嚼困難、飲み込むのが疲れるなどの症状があると、友人との外食を避けて引きこもりがちになるなどの心理的影響も出てきます。決してないがしろにはできない問題です。
■唾液が減りやすい人の特徴
唾液の減少は44~55歳ごろに女性ホルモンが低下する更年期に集中しており、患者さんは圧倒的に女性が多く、全体の8割を占めています。女性ホルモンの低下により、唾液減少以外にも、味覚障害、舌痛、顎関節痛などの訴えが多いことが分かっています。
しかし近年では若年層にも広がっており、ストレスで唾液量が変化することもあります。仕事の緊張やストレスを感じる方でドライマウスの疑いがある場合は、放置せずに相談しましょう。