今回は、災害時に気を付けたい口腔ケアについてお伝えします。
地震等災害の影響で断水している地域では、口の中を歯磨きなどで清潔に保つ口腔ケアがおろそかになりやすく、繁殖した細菌が誤って肺に入ることで起こる「 誤嚥性肺炎 」のリスクが高まります。
東日本大震災や熊本地震でも、誤嚥性肺炎による死亡するケースがあり、今回の能登半島地震でも、歯科医師が避難所にて口腔ケアの指導を行なっています。
◆ 誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは?
食道に運ぶ食べ物や唾液が誤って気管に入り込み、細菌が肺で繁殖して炎症を起こす病気のこと。
特に高齢者は、食道に運ぶ力が低下するため気管に入りやすく、注意が必要です。
◆ 災害時の口腔ケア ①:歯ブラシ・水も少しある場合
・コップを2つ用意し、それぞれ水を入れる。
・片方のコップの水で歯ブラシをぬらし、歯を磨く。
・歯磨き粉がある場合は、少量にとどめておく。
・磨いてる途中で歯ブラシが汚れたらティッシュ等で拭き取る。
・磨き終えたら、コップの水に歯ブラシを入れ汚れを落とす。
・口をゆすぐときは、もう片方のコップの水を使う。
一気に口に含まず、少量で2、3回に分けてゆすぎましょう。
水でぬらしたティッシュペーパーで軽く唇を拭き、
口の周りも清潔に保てるよう心がけましょう。
◆ 災害時の口腔ケア②: 水がほとんどない場合
アルコール成分を含まないウエットティッシュか、水でぬらしたハンカチやティッシュペーパーで、歯や口の中の汚れを拭き取ります。
◆ 災害時の口腔ケア③: 水がまったくない場合
・唾液に含まれる抗菌作用を高めるため、より唾液を出すようにする。
・シュガーレスガムやキシリトールガムを噛むことも効果的。
・入れ歯を使っている人は1日に1回は取り外し、
水やウェットティッシュで拭いて清潔を保つようにする。
口腔ケアの大切さを知ってもらうことが、災害関連死を防ぐことにもつながります。
高齢者にかかわらず、災害時の口腔ケアを意識し、防災用リュックに歯ブラシや歯磨き粉を備えておくことも意識して下さい。
最近では、口をゆすぐ必要のない歯磨き粉も市販されています。
詳しいことや、選び方については受付または歯科医師におたずねください。
※参考:1/6放送NHK首都圏ナビより一部抜粋